財産分与と預貯金(夫婦名義・子ども名義の預貯金)を弁護士が解説

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弁護士コラム Column

財産分与と預貯金(夫婦名義・子ども名義の預貯金)を弁護士が解説

2022年12月07日
名古屋丸の内本部事務所  弁護士 中内 良枝

弁護士法人愛知総合法律事務所の離婚コラムをご覧の皆様,弁護士の中内良枝です。

​​ 今回は,財産分与についてのコラムを,掲載いたします。 婚姻期間中に夫婦で形成した共有財産を分ける制度を財産分与といいます。この財産分与の考え方の下では,原則的には,共有財産を双方に半分ずつに分けることになります。

1 夫婦それぞれの預貯金は財産分与の対象になるのか

夫,妻それぞれの名義の預貯金が財産分与の対象となるのかについて,ご説明します。

​​ 夫(もしくは妻)名義の預貯金は,離婚に際して名義人である夫(もしくは妻)の財産となるかというとそうではなく,名義の如何に関わらず,夫婦の協力で形成した財産といえるかが問題となります。

​​ この夫婦の協力で形成した財産のことを法律上「共有財産」といい,他方で,夫婦の一方が婚姻前から有する財産のように「共有財産」にあたらない財産を「特有財産」(民法762条1項)といいます。 それでは,共有財産と特有財産の例について検討してみましょう。

【共有財産の例 給与振込先の預貯金 】

例えば,夫が仕事をしており,妻が専業主婦として支えていたとします。夫が勤務先から給与を受け取っている場合には,特段の事情がない限り,この給与は夫婦の協力で形成した共有財産となりますので,夫の給与の振込先口座の預貯金は,財産分与の対象となります。

【特有財産の例 相続や贈与 】

では,夫(もしくは妻)が,相続や親からの贈与によって得た財産はどうでしょうか。 この場合,相続や贈与によって得た財産は,夫婦の協力で形成した財産には該当しませんので,各自の特有財産となります。ただし,夫(もしくは妻)の特有財産であると判別ができない場合には,夫婦の共有財産と推定されることがあります(民法762条2項)。

そのため,相続や贈与によって得た財産について特有財産であることを主張したい場合には,共有財産と混ざらないように,給与の振込先や生活費の引落し口座等の共有財産を管理する口座とは分けて管理をしておくことが望ましいといえます。

また,婚姻前に貯蓄していた夫(もしくは妻)の預貯金が財産分与の対象となるのかについては,こちらのコラム(独身時代の貯金の行方)で詳細に掲載されていますので,よろしければご確認ください。

2 財産分与を進める際に預貯金はいつから分ける?

次に,財産分与を進める際には,いつの時点での預貯金を分けるべきかについても問題になりますが,基本的な考え方としては,別居開始時点での預貯金を分けることになります。

​​ もし,別居後に夫婦の一方が預貯金を引き出して使ってしまった場合に,どのように考えるかについて関心のある方は,こちらのコラム(別居後の財産の使い込み)をご確認ください。

3 子ども名義の預貯金は財産分与の対象?

続いて子ども名義の預貯金が財産分与の対象となるかについて説明します。 お子さんがいらっしゃる方の中には,将来の進学に備えて収入の一部を子ども名義の口座に貯金していたり,祖父母からもらったお年玉を子ども名義の口座に貯金しているという方もいらっしゃると思います。

​​ 子ども名義の預貯金が財産分与の対象となるかについては,財産分与という制度が,夫婦の共有財産を分けるという制度であるため,子ども名義の預貯金の実質が夫婦の共有財産であるのか否かの問題といえます。

【子ども名義の預貯金の例】

例えば,子どもの将来の大学進学などに備えて,子ども名義の口座に,夫婦の収入から毎月貯金していた場合には,預貯金の実質は夫婦の共有財産ですので,財産分与の対象になるといえます。

他方,子どもへのお年玉やお小遣い,誕生日のお祝い金などについては,子どもに対して贈与されたものであれば,子ども自身の固有の財産と判断される可能性が高く,その場合は財産分与の対象とはなりません。

​​ したがって,厳密にはこれらのお金がどのような趣旨に基づいて贈与されたものなのかを明らかにする必要がありますが,実務的には双方の合意で子どもの財産として分与の対象としないことも多いように思われます。

子ども名義の預貯金と財産分与に関する解決事例もありますので,よろしければご覧ください。


​どこまでが財産分与に含まれるかお悩みの方は是非一度ご相談下さい。
​​愛知総合法律事務所では​離婚問題に関して初回無料相談を受付ております。詳しくはこちら。

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